お祭りで毎年ひよこを持ち帰っていた話。ニワトリに生まれなくてよかった。
スカラヴィジョンのヤマシタです。
僕は幼い頃から生き物を飼うのが大好きでした。
今も生き物は大好きです。
大人になったら虫はちょっと苦手になりましたけど。
ごめんなさい、無茶苦茶苦手です。
今後の世界の食糧難を見据えて海外を中心に昆虫食を勧める動きがあるようですが、意味わかんないです。
テレビでみた、コオロギから出汁をとったコオロギラーメンがめちゃくちゃ美味しいらしいですけど、こっち来んといてー!!! ぐらいの苦手さです。
ただ、子供の頃は命の尊さという認識は希薄で、人間である自分とは違う見た目や生態にただただ興味を持ち、観察することに夢中でした。
僕は東京下町の生まれで、自然の中では育ってないので
「ペットを飼う=お店で買ってくる」
という考えでした。
自然の豊かさとは対極にあった住宅事情から、大人になってから自分の意志でフィールドに出て、ルアーフィッシングにハマったり、今でもキャンプが好きだったりするんですが。
昭和の頃、地元向島地域の地蔵坂通り商店街では、毎月4がつく日(4日、14日、24日)には縁日が開催されました。
その縁日の中の1店舗である金魚屋さんの「ヤマヨペット」(現在は閉店)で金魚すくいをやったり、東向島にある長浦神社の夏祭りに出かけてはペットのくじ引きをやるのが毎年の恒例でした。
「ペットのくじ」という、生き物が景品という雑多な価値観が昭和的というか、モラル的にヤバイ感じですね。
確かペットくじは一等賞がミニウサギ。
ミニウサギとはいえ、しっかり育っていたって普通のサイズの大きなウサギになるんですよね。
豆柴も昔はしっかりしたサイズの柴犬に成長しておりましたし。
縁日のくじ引きなんて一等の当選確率は眉唾な数字。
多くのYouTuberが検証動画を上げたりして、その不正を暴いたりしてるのも記憶に新しいところです。
というか、昔のお祭り屋台なんて当たりくじが入っていないのは当たり前の世界でしたから、当然当たるのは参加賞程度の
「ニワトリのひよこ」
または「うずらのひよこ」なんですよね。
おそらく選別された後の価値の低い「♂オス」
メスは卵を産みますが、オスは市場価値が低いんですよね。
だってニワトリはオスがいなくたって無精卵を産むし、食用に出荷するには孵化しない無精卵のほうが都合がいいんですから。
となると、ニワトリのオスの価値って…。
選別ではねられたオスのひよこの利用価値として、くじ引きの景品が1つの道だったのでしょう。
墨田区の曳舟近辺のお祭りといえば、多くの神社が6月の第一土曜日と日曜日が多く、長浦神社もその時期に開催されておりました。
その時期にくじ引きで当たったひよこ、子供部屋の箱の中に放置して、どうなると思います?
死ぬんですよ。
毎年、くじ引きで当たったひよこを大切に持ち帰るじゃないですか。明日起きたらたくさん遊ぼうねーて寝るじゃないです。
死んでるんです。
そして、その死に僕はただただ泣くんです。
バカかと、アホかと。
だって、あまりにも幼すぎて、知識が足りなくて、今のようにGoogleもなくて、理由が分からないんですから。
僕の幼い頃はインターネットはもちろん、スマホも、携帯電話も、ポケベルも、テレフォンカードすらなかった時代です。
ニワトリの飼育に関する情報を得るには先駆者に尋ねるか、本からの知識ぐらいしかなかったんです。
今思い返せば、本の情報ですらアテにならないものも本当に多かったですよね。
でたらめな内容でも、今のように知の集合体としてのインターネットもありませんでしたし、検証しようがありませんでしたから。
じっくりと実践したデータを掲載した真面目な本もありましたけど、トンデモ本だらけの世の中でした。
話は戻りますが、なぜこうにも毎回ひよこが死ぬのか。
答えは簡単でした。
寒かったんです。
当時の6月初旬の気候はひよこが元気に過ごせるには寒すぎました。
では、どうしたら良かったのか。
電球で温めてあげれば良かったんです。
それすらも知らない子供の知恵の浅はかさで、ひよこは毎回死んでいったのでした。
そして泣く。
ひよこにしてみれば、まさに地獄!
ただ一度だけ、ひよこが元気に育ち、スクスクと育っていったことがありました。
僕は歓喜し、とても大切に育てました。
もしかしたらこれで、無限に卵を産んで、家族にも喜ばれるかもしれない!
さあ、どんどん産んでおくれ!
目玉焼きに卵焼き、オムレツに親子丼! さあ、産んでおくれ!
コケコッコー!!!!!!!
当然オスです、産むわけがない!
産まないどころか、毎朝うるさい!
下町の住宅密集地にけたたましく鳴り響く
雄鶏のコケコッコー!
毎日毎日鳴り響く雄鶏の咆哮。
で、ある日、僕が学校から帰って来たら、カゴの中の鶏が居なくなってました。
「あれ、母ちゃん、ニワトリどうしたの?」
「うん、軽トラックでくる千葉の野菜の行商のおばちゃんがいるでしょ」
「うん」
「あのニワトリ欲しがってたから、あげちゃったの」
「うん…えっ!?」
「今頃、広いお庭で元気に走り回ってるわよ」
「ああ、そっかー」
必死に現実を認めようと思いあがいたのですが、幼いその脳裏では、行商のおばちゃんちの食卓に並ぶフレッシュな鶏肉(ご馳走)しか思い浮かびませんでした。
えーと、命に感謝(現実から逃げたい)
そんな想いで作ったのが「チキンレーサー」Tシャツです(そんな想いじゃないよバカ!)
参考リンク
有吉も絶賛したコオロギラーメンに大行列、170食完売の衝撃【昆虫写真あり】