重曹・セスキ・過炭酸ナトリウム 衣類の汚れは何をどう使う?
洗濯にはコレが良いらしい、台所汚れにはコレが良いらしい、と『とりあえず』と購入してしまった洗浄剤やナチュラルクリーナーたち。
『良いらしい』と、よく理解せず使っているところもあるので、書き出して整理してみたいと思います。
漂白剤でも違う
漂白剤には大きく分けて「酸化漂白剤」と「還元漂白剤」があります。
さらに、酸化漂白剤には
「塩素系漂白剤」と「酸素系漂白剤」があります。
塩素系漂白剤は、あの『プールの匂い』の塩素です。
塩素系漂白剤は強力な漂白能力があるので、洗濯に使用する場合は白物衣類に限ります。
そして、酸性の物と混ぜると有害な塩素ガスを発生させたりするので注意が必要です。
一方、酸素系漂白剤は、色物・柄物のお洗濯にも使えます。
塩素系漂白剤の主な成分は、次亜塩素酸ナトリウム
酸素系漂白剤の主な成分は、過炭酸ナトリウムです。
いずれの漂白剤も、真鍮をつかった食器やアルミなど金属製のボタンファスナーがついている衣類には使用できません。
ステンレスは大丈夫ですが、ステンレス以外の金属が付いているものはダメ、と覚えておきましょう。
粉末のクリーナー
100均でも購入できる粉末の洗浄剤。
- 重曹
- セスキ炭酸ソーダ
- 過炭酸ナトリウム
汗や蒸れた靴の臭いなど「酸性の臭い」を中和したり、油汚れや皮脂の「酸性の汚れ」を落とすのに効果を発揮します。
重曹
水溶液は、ごく弱いアルカリ性。
- 鍋の内側の焦げ
(ただし、アルミ製の鍋はアルカリで黒ずんでしまう) - 銀製品のくすみ取り
- お風呂の掃除 など
水に溶けにくいのでクレンザーのように使うことができる重曹は、「お掃除」で大活躍するイメージ。
《!》重曹は精製の度合いによって、調理用、掃除用などに分けられています。
お料理に使用する場合は、食用の重曹を。
また、ベーキングパウダーは重曹ではありません。「ベーキングソーダ=重曹」です。
セスキ炭酸ソーダ
水溶液は、弱アルカリ性。水に溶けやすい。
- 血液汚れ、皮脂や手垢の軽いタンパク汚れ
- 台所の油汚れ など
お掃除にも、お洗濯にも使えるイメージ。
過炭酸ナトリウム
水溶液は、弱アルカリ性。セスキ炭酸ソーダより強め。
いわゆる「酸素系漂白剤」といわれるものは、過炭酸ナトリウムです。
- 水筒やカップの茶渋汚れ
- 洗濯槽や浴室のタイル目地の掃除
- 汗や皮脂汚れ、食べこぼしの油ジミ抜き
- 布巾や衣類のつけおき漂白 など
化学式にするとわかりやすい?
上記のものの化学式を見ると
- 化学式 NaHCO3
重曹(炭酸水素ナトリウム/重炭酸ソーダ) - 化学式 Na2CO3・NaHCO3・2H2O
セスキ炭酸ソーダ
- 2Na2CO3・3H2O2
過炭酸ナトリウム(過炭酸ソーダ)
セスキ炭酸ソーダは、炭酸ナトリウム(Na2CO3)と炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)で構成されていますね。
炭酸ソーダ+重曹ということで、『洗濯掃除用に、とりあえず何か使ってみようかな』という場合は、重曹ではなく、セスキ炭酸ソーダが良さそうですね。
まとめ
弱アルカリ性クリーナーが得意とするのは
- 台所の油汚れや食器の茶渋、生ゴミ臭
- 衣類やお風呂の皮脂汚れ
- トイレやバスルームの掃除
アルカリ性の強さは、過炭酸ナトリウム>セスキ炭酸ソーダ>重曹
以前、ステンレスタンブラーの洗浄で使用した粉末の酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)は、汗染みや黄ばみなど、衣類のお洗濯にも大活躍。
しかし、弱アルカリ性のセスキ炭酸ソーダや過炭酸ナトリウムでお掃除、お洗濯をする際
- 畳や木材など、コーティングされていない天然素材のもの
- 草木染めの布製品
- 絹・毛などの繊維
などは避けた方が無難。
そして、アルカリ性クリーナーは、アルカリ性の汚れが苦手。
アルカリ性の汚れには、酸性のクエン酸が効果を発揮。
- キッチンやバスルームの水垢
- 電気ポットや食器洗浄機の白いカルキ汚れ
- トイレの尿汚れやアンモニア臭
- サビ落とし
には、クエン酸。
Tシャツなどの軽い皮脂汚れには、セスキ炭酸ソーダが良いかもしれませんね。