江戸の夏の風物詩「あさがお市」「ほおずき市」
今日の東京は、日中でも20度程度の気温で、ちょっとひんやり感じる梅雨空。
雨が降ったりやんだりで、七夕の今夜、天の川を見ることは難しそうです。
7月のイベント・風物詩
7月といえば、と言われて想像するのは、海開き、祇園祭、花火、金魚、風鈴。そして、朝顔。
『東京のお伊勢さま』として親しまれ、縁結びのパワースポットとして知られる東京大神宮では今日7月7日に「七夕祈願祭 (たなばたきがんさい)」が行われました。
そして、東京下町の夏の風物詩である市(いち)が立ちます。
7月6日~8日に『入谷の朝顔まつり』が、7月9日~10日に「『浅草寺のほおずき市」が催されます。
入谷朝顔まつり
東京都台東区下谷では、毎年7月6日から7月8日までの3日間、江戸の夏の風物詩として親しまれている、日本最大の朝顔市『入谷朝顔まつり』が行われています。
日程:7月6日、7日、8日
時間:5:00頃~23:00頃(※注)
場所:真源寺 およびその周辺(東京都台東区下谷1-12-16)
真源寺は入谷鬼子母神
真源寺(しんげんじ)は、あの『恐れ入谷の鬼子母神』の鬼子母神様で、安産、子育て、縁結びなどのご利益があると言われています。
ちなみに、入谷鬼子母神は『きしぼじん』と呼ばれることがありますが、正しくは『きしもじん』です。
『ぼ』じゃなくて『も』です。
このお寺では三日間の期間中、朝顔の造花が付いたお守りをいただくことができます。
かんざしのような棒についた大サイズと、クリップピンがついた小サイズがあり、購入時には火打石を打って清めてくれるそうです。
(※注) 上記「時間」は縁日の時間です。真源寺の授与時間とは異なると思われます。
『朝顔まつり』は早朝に!
朝顔は、その名の通り、朝に花開き、お昼すぎにはしぼんでしまいます。
朝顔の購入を予定している場合は、家を早く出て、真源寺でお参りして、元気に開いている花を見て購入するのが良いと思います。
期間中、境内や言問通りには、60軒ほどの朝顔業者の露店が並びます。
支柱と輪で朝顔を支える『行灯仕立て(あんどん じたて)』の鉢植えは2,500円程度から、鮮やかな赤紫色、爽やかな青色の他、海老茶のような渋い色の『団十郎朝顔』という品種も人気のようです。
『南海スカイブルー』『浜の銀河』『平安の輝』などという朝顔の品種により若干の差はあるのですが、価格は朝顔組合の協定で決められているので、品種で大きさも同じなのにアッチの店のほうが安かった、ということはないそうで、どの露店で購入しても同一価格とのことです。
購入した朝顔の鉢は、別料金となりますが宅配便で送ることもできます。
午前中はお参りをして朝顔を選び、昼前後は屋台めぐり、午後は上野に飲みに行く、という予定の方も安心ですね。
御朱印がもらえない?
『入谷鬼子母神は御朱印がもらえない』との噂がありますが、貰えます。
真源寺の御朱印は書置き(あらかじめ書いたり印刷してある別紙)で、朝顔まつり期間中は、限定の書置き御朱印をいただくことができます。
ただし、数に限りがあるので、「在庫が無くなったので貰えない」という場合があるかもしれません。
四万六千日 ほおずき市
入谷での朝顔市が終わると、次は浅草の「ほおずき市」。
毎年7月9日と10日の2日間、浅草寺で催されます。
四万六千日・ほおずき市
日程:7月9日、10日
時間:8:00~21:00頃
場所:金龍山 浅草寺(東京都台東区浅草2-3-1)
7月10日は四万六千日
7月10日に浅草の観音さま(浅草寺)にお参りすると『46,000日参拝したのと同じご利益がある』とされ、『四万六千日(しまんろくせんにち)』と呼ばれています。
毎年この四万六千日の功徳日とその前日に縁日が開かれ、ほおずき市が催されます。
なぜ四万六千という数字なのか、というのは諸説ありますが、一升の米粒が46,000粒あるとされることから、『一升』と『一生』をかけた、という一説があります。
46,000日というと約126年。たしかに人生一生分ですね。
何故ほおずきを買うの?
昔から赤いものは縁起がいいとされ、魔除けなどにも使われており、ほおずきは漢字で書くと「鬼灯」。
精霊が迎え火や提灯の灯を頼りに集まると言われていることから、ほおずきを提灯に見たてて、お盆の飾りとしても用いられています。
東京では7月13日がお盆が始まりです。四万六千日の縁日で縁起物のほおずきをお盆の飾りに用立てるということなのでしょうか。
ほおずきの種類
この日、浅草寺境内は、約100軒のほおずき露店や屋台で賑わいます。
ほおずきの露店では
- 鉢植え
- 一本の枝に実が複数、鈴なりについた「枝ほおずき」
- ほおずきの「実」だけ
- 竹ひごに、実が1つ結びつけられている「ひごほおずき」
などが売られ、どの店も販売価格は同じです。
玄関先や軒下に風鈴がついている鉢植えのものを飾ったり、室内に飾るなら枝ほおずき、実だけを袋詰めにしたものは1袋3つ入りで500円なのでお友達へのお土産に、など用途に応じて選べます。
限定のお守りと御朱印
浅草寺では7月9日と10日、「四万六千日」と書かれた雷除けのお札がいただけます。
江戸時代、文化年間(1804〜1818年)以降、落雷のあった農家で赤とうもろこしを吊るしていた農家だけが無事であったことから、赤とうもろこしは雷除けのお守りとして売られるようになったそうです。
しかし、明治時代の初め、不作により赤とうもろこしが出回らず販売中止。これに困った参詣者の強い要望により、三角形の守護札の授物が出されるようになったそうです。
- 竹ひごにお札が挟んである、室内に飾るタイプの雷除守
- 携帯できる雷除け札のミニタイプの災難厄除守
の2種類があるそうです。
身を守るお守りは身につけるほうが良いという話もあるので、鞄やバッグに入れて携行できるタイプの災難厄除守が良いかもしれませんね。
また、この日は、御本尊である聖観世音菩薩の御朱印に「四万六千日」と言う朱印が押印されます。
上の画像は昨年いただいたもので、書置きです。
四万六千日限定のお札・お守りや御朱印をいただける、浅草寺の本堂の授与時間は、9時~17時。
参拝後にお札や御朱印をいただき、それからほおずきを選んだり屋台を楽しみたいですね。