登録商標を一般名称に言い換えたら何?
「デンモク」は第一興商の登録商標で、一般名称は「電子目次本」という話を書きましたが、商品名(登録商標)だけど、つい総称として呼んでしまう商品やサービスって、結構ありますね。
で、日常生活でつい使ってしまいがちなのは、
- ウォシュレット
- 宅急便
- アイスノン
- シーチキン
- 写メール
このあたりでしょうか。
ま、使ったところで特に困ることはないのですが…。
登録商標を一般名称に言い換えたら何というのか、を調べてみました。
ちなみに、企業名や商品名を放送内で使用しない、と思われるNHK。
本質的に必要で、その他の表現に置き換えることはできない場合など、必ずしも企業名や商標等の放送が一律に禁じられているわけではない、とのこと。
総称として、つい言ってしまう商品名
ウォシュレット
TOTO株式会社の登録商標です。
一般名称は「温水洗浄便座」というんですね。
ちなみに、「シャワートイレ」はINAX(株式会社LIXIL)の商品名だそうです。
んー、「温水洗浄便座」って長くて言いにくいですよね。
宅急便
ヤマトホールディングスの登録商標。
一般名称は「宅配便(たくはいびん)」。
最近は「佐川」「ゆうパック」など、運送会社名で呼ぶことが多くなった感じですね。
アイスノン
白元アース株式会社の登録商標。
一般名称は「冷却まくら」。
ドラッグストアに並んでいるのは見かけますが、熱が出た時に使用する機会は減りましたね。
令和時代は『冷えピタ』ですかね。もちろん冷えピタはライオン株式会社の商品名で、小林製薬株式会社の『熱さまシート』も含め、一般名称は『冷却ジェルシート』です。
シーチキン
はごろもフーズ株式会社の登録商標で、一般名称は「ツナ」。
ちなみに、はごろもフーズのシーチキンシリーズの
- ファンシーという商品は、びんながまぐろのフレークを綿実油で調理したもの
- フレークは、びんながマグロのブロックを綿実油で調理
- Lフレークは、きはだまぐろのフレークを大豆油で調理
- マイルドは、カツオのフレークを大豆油で調理
そして、「素材そのままシーチキン」と名がつく商品は、油漬けではなく「水煮」で、魚の種類と形状と調理方法により商品名が違うのですね。
(はごろもフーズのシーチキン情報ページより)
写メール
ソフトバンクモバイル株式会社(元J-フォン)の登録商標だそうですが、携帯電話で画像を撮影したり、その画像をメール添付送信したりすることを、携帯キャリア問わず「シャメ」と言いますね。
あれ? 写メールは商標だけど、「写メ」は商標じゃない、なんてことはないですよね?
略称というと、
デジカメ
「デジタルカメラ」の略称だと思っていたのですが、「デジカメ」は三洋電機株式会社の商標だそうで、一般名称は「デジタルカメラ」。
ややこしいですが、三洋電機のデジタルカメラをデジカメという、ということですね。
セロテープ
こちらも略称だと思ったら、「セロテープ」はニチバン株式会社の商標で、一般名称は「セロハンテープ」。
その他の「代名詞」
- エレクトーン(ヤマハ株式会社) 一般名称は電子オルガン
- サランラップ(旭化成株式会社) 一般名称はラップフィルム
- タバスコ(マキルヘニー社) 一般名称はペパーソース
- テフロン(旧 デュポン社より分離独立したケマーズ社) 一般名称はポリテトラフルオロエチレン
- ポリバケツ(積水テクノ成型株式会社) 一般名称はプラスチックバケツ
- ピアニカ(東海楽器製造株式会社及び、ヤマハ株式会社) 一般名称は鍵盤ハーモニカ
- ポスト・イット(3M社) 一般名称は付箋紙
- ほんだし(味の素株式会社) 一般名称は和風顆粒だし、風味調味料
- マジックテープ(株式会社クラレ) 一般名称は面ファスナー
など、一般名称のように使われている商標はたくさんありますね。
商品名かと思ったら社名なの?
朱肉を使わずに押せるスタンプのことを「シャチハタ」と呼ぶ人が多いですが、一般名称は「インキ浸透印」です。
しかも「シャチハタ」は社名で、商品名ではないのです!
商品名は「Xスタンパー」。
すなわち、シャチハタ株式会社のインキ浸透印は「Xスタンパー」ということです。
社名と商品名が同じパターンとしては
- 味の素 (味の素株式会社) 一般名称は化学調味料、うまみ調味料
- 亀の子たわし(株式会社亀の子束子西尾商店)
- ジャグジー(JACUZZI社)一般名称はジェットバス
- タッパー (タッパーウェア社) 一般名称はプラスチック製密閉容器
- テトラポッド (株式会社不動テトラ) 一般名称は消波ブロック
亀の子たわしの一般名称は「ヤシ繊維ブラシ」でしょうか?
名称など短縮する傾向にありますが、ヤシの繊維を針金に挟んで固定し棒状にしたものを曲げて固定した、いわゆるタワシのことは、「タワシ」ではなく「亀の子たわし」と言ってしまいます。なぜだろう?