お盆は、いつから?【迎え火・送り火】東京のお盆が8月じゃない理由

「お盆」と言えば、8月中旬で、この時期に「お盆休み」として夏季休暇となる企業が多いですよね。

しかし、東京など一部の地域では7月にお盆の行事を行うご家庭が多く、都内のスーパーなどでは、7月に入るとすぐにお盆用品が並びます。

改暦により、「旧暦」と「新暦」に

お盆の話になると『旧盆』とか『新盆』とか、『旧暦』とか『新暦』という言葉が出てきます。

旧暦の『盆の入り』は、7月13日でした。
これを、明治5年(1872年)に改暦された新暦に変換すると

旧暦2019年7月13日→新暦2019年8月13日
旧暦2020年7月13日→新暦2020年8月31日
旧暦2021年7月13日→新暦2021年8月20日

と、日にちにバラつきが生じてしまいます。
なので13日のみをそのまま残し固定して、現在では、8月13日から行う『月遅れの盆』が主流になったのでは、と思われます。

なぜ地域によって異なるの?

お盆は8月に統一すれば良いのに、と思うのですが、なぜ地域によって違う日に行う理由は、なんでしょうか。

  • 7月13日からの「新の盆」 東京都(一部を除く)、神奈川県内・函館市・静岡市・金沢市・熊本市など一部の市街地
  • 旧暦7月15日 沖縄地方など
  • 8月13日からの「月遅れの盆」 上記以外の地域

沖縄のお盆は現在でも旧暦の7月13日〜15日。

なので、2017年(平成29年)は9月3日〜5日だったりと、9月にお盆を迎える年もあるそうです。

また、亡くなって初めて迎えるお盆のことを「初盆」または「新盆」と呼びますが、7月に東京などで行うお盆「新盆」とは意味が異なります。

有力な説は『農繁期だから』

7月は田植えや農作物の収穫など農作業の忙しいので仕事が落ち着いた8月に行う、という説があります。

そして、東京の市街地などに住む人は他の地域からの移り住んだ人が多いので、7月は自宅で8月は実家で、とお盆の時期をずらすことにより家族・親戚が集まりやすく、みんなでご先祖様の供養を行えるという考えもあるようです。

お盆は13日〜16日

現在では8月13日〜16日に行なう「月遅れの盆」が一般的ですが、東京などは7月13日~16日がお盆の期間となります。

一般的なスケジュール

宗教や宗派、地域によって、行事や風習・習慣は大きく変わるので、以下は一例です。
ご家庭で、それぞれの方法でお過ごしください。

13日 盆の入り 迎え火
14日 中日
15日 中日
16日 盆の明け 送り火

※15日に送り火を行い、16日の午前中に全て片付けるという場合もあるそうです。

13日 盆の入り・迎え火

午前中までに先祖の精霊を迎える準備をします。
迎え火に必要な物を揃え、仏壇の掃除、「精霊馬」を準備し、盆棚・精霊棚や盆提灯の設置、果物、茄子、瓜、素麺、米粉のお団子(餅)、饅頭、「水の子」などのお供え物を準備します。

「精霊馬」(しょうりょううま)… キュウリとナスで作る馬と牛で、ご先祖様の精霊の乗り物。
麻幹(おがら)や割り箸などを切り分け、キュウリとナスにそれぞれ4本ずつ差し込み、馬と牛をつくり、出来上がった精霊馬は仏壇のまわりか盆棚・精霊棚に供える。
キュウリは足の速い馬に見立てられ『あの世から早く家に戻ってくるように』、ナスは歩みの遅い牛に見立てられ『この世からゆっくり帰り、お供物を牛に乗せて持ち帰ってもらうように』との思いが込められています。

「麻幹」(おがら)… 皮をはいだ麻の茎。麻は邪気を祓い、清める植物とされている。

「水の子」(みずのこ)… 研いだ生米、賽の目に切った茄子や胡瓜を混ぜあわせ、蓮の葉にのせた、墓や盆棚に上げるお供物。水の実。

・お供えの「素麺」(そうめん)…ご先祖様が行き来する際の馬や牛の手綱、お供物を持って帰ることができるように縛る紐など諸説あり。

「鬼灯」(ほおずき)…ふっくらとした形が盆提灯に似ていて、鬼灯のその色が火の灯った盆提灯のように見えることから、仏壇などに飾られるように。

夕方、迎え火を行います。

『迎えは早く、送りは遅く』と言われますので、迎え火は午後3時頃から日暮れ前に、送り火は陽が落ちてから、という感じでしょうか。

精霊は、迎え火の煙や灯を道しるべに帰ってくると言われています。

  • 細かく折った「麻幹(おがら)」や「松明(たいまつ)」を焙烙皿にのせ、玄関先で火をつけ焚く
  • お墓に行きロウソクに火をつけ、その火を提灯に移し持ち帰る
  • マンションなどの住宅事情で、玄関先で炎を扱うことが難しい場合は、仏壇前に設置した盆提灯に電気をつける

など、いずれかの方法で迎え火を行います。

14日、15日 中日

先祖の精霊が、家庭で過ごす日となります。

親戚などの家に行って仏壇にお参りをしたりします。

また、一部の地域では、14日にお墓参りをすることがあり、これを『留守参り』と言います。

ご先祖様は戻って来ているのに、なぜ誰もいない墓に手を合わせるの?と思いますが、不在の間にご先祖様の家(お墓)を綺麗にするためだったり、お墓には仏様がいらっしゃるので留守中のお墓を守ってくださる仏様に手を合わせるため、などの理由で留守参りをするそうです。

16日 盆の明け・送り火

盆棚・精霊棚へのお供えは、この日まで行います。

夕方になったら迎え火と同じ方法で送り火を行い、精霊をお見送りします。

宗派、風習のよりさまざま

宗教や宗派、地域によって、行事や風習・習慣、盆棚・精霊棚の飾り方など、本当には様々です。

  • 夏の仏事に茄子が多様されるのは、季節の野菜だからという理由の他、茄子の種は108個あり人間の煩悩の数を表している
  • 麻は邪気を祓う植物で、魔除けや厄除けなどの意味があると考えられており、迎え火や送り火で燃やした麻幹の炎(または灰)を3回跨ぎ、無病息災を願う

などもあるようです。

麻幹の炎で無病息災、というのは、なんだか便乗してお願い事をしてしまっているようで、そして「またぐ」なんて、なんとなく無礼な感じがしちゃいますけど…。

今週末開催予定の祭事、花火

毎年、新の盆の期間に行われている祭事と言えば「みたままつり」です。

東京の靖国神社で毎年この時期に行われる「みたままつり」は、英霊を慰め今日の平和を感謝する祭事です。
境内には大小3万を超える献灯(提灯)が飾られ、その黄金色の美しい光の数々は圧巻です。
参道では青森ねぶた、阿波踊り、江戸芸かっぽれ、神輿振りなどが奉納されます。

その他、週末の三連休には

  • 国の重要無形民俗文化財に指定され、関東三大山車祭りのひとつと言われるお祭り
  • ペリー上陸を記念した式典やパレードと地域住民によるバザール、そして花火大会
  • 「雨天・荒天・川の増水時は中止で延期無し」という、開催難易度が高い花火大会

なども開催予定です。

今年の7月は日照時間がとても少ないです。雨が降らないと良いですよねー。

概要

令和元年 佐原の大祭夏祭り
場所:千葉県香取市佐原 本宿地区 八坂神社周辺(千葉県香取市佐原イ3360番地)
日程:2019年7月12日(金)~7月14日(日)10:00~22:00
詳細:香取市観光サイト

第73回みたままつり
場所:靖国神社境内(東京都千代田区九段北3丁目1−1)
日程:2019年7月13日(土)~7月16日(火)18:00~21:30
詳細:靖国神社 祭事のご案内

2019久里浜ペリー祭 花火大会
場所:ペリー公園(神奈川県横須賀市久里浜7-14)他
花火打上場所:横須賀市久里浜港
日程:2019年7月13日(土)19:30~20:10
打上数:約3,500発
※雨天・荒天の場合は、翌日の2019年7月14日(日)に順延
詳細:久里浜観光協会公式サイト

第48回相模原納涼花火大会
花火打上場所:相模川 高田橋上流(神奈川県相模原市中央区田名)
日程:2019年7月15日(月・祝)19:00~20:15
打上数:約10,000発
※雨天・荒天・相模川増水時は中止 延期無し
詳細:公式サイト

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