お賽銭の額は、いくらが良いの? 神社とお寺の参拝の違い
1月。初詣などに行った方も多いと思います。
また、冬から春にかけて、節分、合格祈願などで寺社仏閣に行く機会があると思います。
神社やお寺の参拝の際のお賽銭、いくら入れていますか?
どこかで『複数枚いれたほうが良い』という話を聞いたような気がするのですが、理由がわからないので調べてみました。
お賽銭の額は?
お賽銭の額に関して調べてみたところ
- 「見通しが良い」という願いを込めて、穴の空いた5円玉または50円玉
- 縁起、語呂がよい額
- 大きなお願い事の時は紙幣など、普段よりも多めに
などがありました。
縁起が良く、語呂が良い額というのは
- 5円 … ご縁
- 11円 … いい縁
- 20円 … 二重に縁
- 25円 … 二重にご縁
- 115円 … いいご縁
- 415円 … よいご縁
- 485円 … 四方八方ご縁
などでしょうか。
また、お賽銭は『願いが叶ったことへのお礼』なので、『願いを叶えてもらうための料金』ではないので『高額なほうが願いが叶う』ということではなさそうです。
身の丈にあった額で良いと思います。
硬貨を組み合わせると良い?
神社は白い硬貨、お寺は赤い硬貨
賽銭箱の上を見ると、ほとんどの神社には鈴がついており、お寺には鰐口(わにぐち)というものがついています。これは一説には性的な象徴と言われています。
神社は男、お寺は女、紅白でいうと男は白、女は紅。
なので神社は白いお金(1円、100円、500円)
お寺は赤いお金(5円、10円、お札)
なんて言われています・
また、白い硬貨、赤い硬貨、穴の空いた硬貨を、それぞれ1枚ずつ組み合わせると、思いが届きやすくなるとも言われています。
- 白い硬貨 … 1円玉、100円玉、500円玉
- 赤い硬貨・黒い硬貨 … 10円玉
- 穴の空いた硬貨 … 5円玉、50円玉
冒頭に書いた『複数枚いれたほうが良い』というのは、このような理由なのでしょうか?
お賽銭は、115円
縁起が良く、験(ゲン)を担ぎ、語呂が良く、3種類の硬貨を組み合わせ、風水的にも良いとされるのは「115円」ということになりそうです。
100円玉と10円玉と5円玉で、115円。
神様の参拝作法
- 鳥居の前で本殿に向い一礼し、鳥居をくぐる
- 参道の端を歩く。参道の中央は神様の通り道。
- 手水舎(てみずや、ちょうずや)で手と口を清める
- 拝殿の前で、二礼二拍手一礼
- 出る際も、参道の端を歩いで鳥居を出たら、本殿に向い一礼
手水舎での作法
自らの穢れを落とし清らかにする「禊(みそぎ)」。
この禊を行うのが「手水舎(てみずや、ちょうずや、ちょうずしゃ、てみずしゃ)」です。
- 手水舎に軽く一礼
- 右手で柄杓(ひしゃく)を取り、手水をすくう
- 左手を清める
- 柄杓を持ち替え、右手を清める
- 再度右手に柄杓を持ち替え、左の手のひらに手水を溜める
- 溜めた手水を口に含み、口をゆすぐ
- 静かに口をゆすぎ、そっと吐き出す
- 上の3と同様に、左手を一度清める
- 最後に柄杓の柄を片手で持ち、椀部が上になるよう傾け、柄に手水をしたたらせて洗い流す。
- 柄杓を戻し、手水舎に軽く一礼
上記の手順3.から9.は水を継ぎ足すことがないよう柄杓1杯の水で、口を清める際は柄杓に直接口をつけないように!
拝殿の前での作法
拝殿の前に進むと、賽銭箱があるし、頭上には鈴もある。
「二礼二拍手一礼」は、どのタイミング?
- 拝殿前で軽く一礼
- 賽銭箱にお賽銭を入れる
- 鈴を鳴らす
- 深く二礼
- 手のひらを胸の前で合わせ、右手を下にずらし、二拍手
- 手を合わせ直し、お礼の思いを伝え、深く一礼
- 拝殿前で軽く一礼
参拝は、静かに優しく
賽銭箱に硬貨を入れる際に『参拝に来た事を知らせ、邪気払いにもなるので、なるべく大きい音を立てる様に賽銭箱に硬貨を投げ入れる』という話を聞いたことがあるのですが、それは間違いのようです。
そもそも「賽銭」とは「供物」です。
そう考えると、お供物を勢い良く投げることは失礼ですよね。
なので、賽銭箱に近づき、静かに硬貨を滑り込ませるように入れましょう。
次に「鈴」ですが、この鈴も神様を呼ぶものではありませんので、勢いよくガランガランと鳴らす必要はありません。
鈴の音で心身の邪気を祓ってお参りをする為のものなので、優しく鈴緒を振りましょう(鈴緒とは、鈴を鳴らすための紐、布、綱)。
寺院の参拝作法
神社は「神様」ですが、寺院は「仏様」です。
神社と寺院では参拝のお作法に異なる点があるので注意が必要です。
- 山門の前で、合掌し一礼
- 帽子を取り、敷居を踏まず、またいで山門をくぐる
- 手水舎で手と口を清める
- 蝋燭台で燈明、線香台で献香
- 本堂・本殿の前で軽く一礼
- お賽銭を入れる
- 合掌して祈祷。数珠を持っている場合は手にかける
- 合掌したまま一礼
- 山門から出たら、振り返り一礼
神社で行う「拍手」、柏手は打ちません。
蝋燭や線香はどうすればいい?
蝋燭台や線香台がある場合は、寺院に蝋燭や線香が用意されていますので、それらを用いて「燈明」「献香」をすると良いでしょう。
常香炉が置かれている場合、その煙で体を清める。また、この煙を身体の調子の悪い部分にあてると良いとされています。
本堂の前での作法
丸く平べったい「鰐口(わにぐち)」がある場合は、法身如来・報身如来・応身如来の「法報応の三身」で、三度を鳴らすそうです(注:宗派によって異なるそうです)。
そして祈祷の際は、「南無」の後に祀られている仏様のお名前を。
阿弥陀様なら「南無阿弥陀仏」、観音様なら「南無観世音菩薩」、お釈迦様なら「南無釈迦牟尼如来」と唱えると良いそうです。
また、昨今は御朱印をいただく方が多いですが、御朱印は寺社に写経をおさめた(納経)証であり、参拝した記しとなるものなので、御朱印や御守は参拝の後にいただきましょう。
まとめ
- お賽銭の額は、白い100円玉と黒い10円玉と穴の空いた5円玉の3つの硬貨で、115円が良さそう
- 参拝は静かに、姿勢を正して、手水舎で手と口を清め、お賽銭の後に鈴や鰐口を鳴らすのは寺社仏閣共通
- 神社は神様、寺院は仏様
- お寺では「二拍手」しない
- 願いが成就したら、祈願成就のお礼参り、礼拝にも行きましょう